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2008年6月7日土曜日

今週読んだ本

今週はダライラマ14世自伝の文庫本と「ペットサウンズ」 ジムフジーリ著 村上春樹訳の2冊を続けて読みました。
ダライラマ自伝はびっくりする程 自分の今後のモノの見方が変わってしまう様な素敵な本でした。
ダライラマ14世の底抜けに率直で明るく思いやりに満ち、ユーモアも兼ね備えた人柄から出てくる言葉には勇気を与えられました。
ダライラマ14世の本は仏教について書かれた本は読んだことがありますが、その時のイメージとはまた違った、宗教的なベースを持ちながら現実に日々の生活を一人の人間として生き生きと俗人的な部分も隠そうともせず開けっぴろげに生きている様を、彼そのままで感じることが出来た様に思います。チベット問題に関しても、今の中国の仕打ちが50年以上変わらず続いているということが良く理解できました。それを踏まえて今の時代のことを考えると人権とか、愛と平和とか、思いやりといった人間の根本にある人良い精神が圧倒的な力に完全にモチベーションを失っているような気がします。ただ、昔と比べて世界は確実に広域に渡って密接に広がっているし、同じルールで生活するプレイヤーが何倍も増加しているのだから、その多様性を取り込んで行く良き変化のまだ過程の一つに過ぎないと思いたいです。
ペットサウンズは60年代の物語として面白く一日で読んでしまいました。正直ペットサウンズはビートルズがサージェントペパーズを創る時に最も影響を受けたアルバムだと言うことは知っていましたが聴いたことはまだありませんでした。いまペットサウンズを聴きながらこれを書いていますが、そのスゴさというのはちょっとピンとこないというのが本音です。ポールマッカートニーはサージェントペパーを作る前にペットサウンズにインスパイアされ、それに夢中だったとことあるごとに回想しています。サージェントペパーのコンセプトを思いついたのは休暇を使って行ったロサンゼルス旅行で見て来たことがベースになっていますし。しかしながら村上春樹氏があとがきでペットサウンズとサージェントペパーズをヘミングウェイとスコットフィッツジェラルドになぞらえるのはかなり無理があるように思います。
ビートルズはその当時のペットサウンズのスゴさを既に高く評価していた訳ですし、その上であのサージェントペパーズを創った訳ですから。才能の頭数とそのパワーにおいて比較のしてもしょうがないような気がします。作家は1対1ですからね。
あとビートルズはその後レットイットビーでジョンとジョージとリンゴがフィルスペクターをプロデューサーに起用しますが当時のブライアンとフィルスペクターの関係のくだりを読むと、ポールがそれに猛然と反発したことと無縁ではない様な気がします。
ポールとブライアンはそれぞれのチームの中で少し近い立場にいたのかもしれません。それ以外のメンバーの実力は雲泥の差があったとしても、ジョンもポールのサイドメンでいることがやだったとはっきり言っていますし、それ、− 一人の創作意欲の理想の追求を他のメンバーに押し付けてまで達成しようとする試みーがお互いのバンドの解散に繋がって行った点にも共通性を感じます。
僕としては今後ポールとブライアンで一曲創ってみてくれないかなと思ったりしています。